2008年 07月 30日
没作品。
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●森下ベニサン・ピットにて3軒茶屋婦人会公演・舞台「うどんげ」鑑賞。3軒茶屋婦人会とは、篠井英介、深沢敦、大谷亮介という各方面で活躍中の怪優3人が企画・立案・プロデュースし、「女」に取り組み続けるというおかしなユニット。要するに中年男優の女装芝居です。演出はG2氏だが、この3人は演出にも大いに口を出すという。一体どんな芝居が生まれているのか、楽しみに出かけた。
ベニサン・ピットは、たとえばパルコ劇場とかBunkamuraとか本多劇場などのような立派な劇場とはイメージが異なり、稽古場が何棟か立ち並ぶ施設の中に仮に作られた急ごしらえの小屋のようなスペース。建物自体も倉庫を改造したようなざっくばらんな作りで、相当年季も入っていてきれいとは言い難い印象。しかし、これが芝居と実に合っていた。今回の話は、雨漏りする部屋での一夜が舞台となっているのだが、この劇場そのものが雨漏りしそうなので、おかしいくらいに雰囲気にリアリティがあった。劇場の選択も演出の一部かと思うほど。
芝居は、淡々とした3人の会話で進行し、大きな仕掛けなどは一切ない。それでいて飽きることなく最後まで見せられるのは、演出や出演者の力量ももちろんだが、脚本がいいんだろうなぁ。まだ地方で上演中ゆえ、ネタバレになるので詳しくかけないが、●口●郎に関するシーン、及び終盤における深沢氏の「ひとつ確認したいんだけど、あなたたち私のこと●●○○〜」という台詞とそれに対する二人の返答には不覚ながら大笑いしてしまった。
いい芝居は、帰路を愉快にしてくれる。
●CDアレックス・ノース『2001年〜デストロイド・ヴァージョン』を入手。
キューブリックの『2001年宇宙の旅』では、R・シュトラウスの「ツラトゥストラはかく語りき」やJ・シュトラウスの「美しく青きドナウ」といったよく知られた楽曲、さらにハチャトゥリアンやリゲティといった作曲家のクラシック作品が全編にわたりサウンドトラックとして使われている。しかし、実は最初、キューブリックは作曲家アレックス・ノースに作曲を依頼し、半分ほど完成し録音まで終えていたのに、それ以降連絡すらないままに全てを没にし、曲を差し替えて映画を完成させたのである。ノースは試写会で初めて自分のスコアが没になった事を知ったそうだ。ひ、ひどすぎる〜。あんまりだ、キューブリック。鬼!
で、その没になったかわいそうな曲を蘇らせたのが、このCDである。キューブリックが却下した曲って、一体どんなものなのか、非常に興味深く拝聴したが、うううううう、素晴らしいではないか。テーマ曲などは、「ツラトゥストラ〜」の雰囲気をキープしつつ見事なオーケストレーションで構築され、私の耳には何の問題点もない、感動し興奮すら覚える名スコアである。こ、これを没にするとは。やはり、鬼だ・・。しいていうなら、キューブリックの選曲にはわかりやすいメロディーがあるが、ノースの作品にはそういうつかみがないということだろうか。でも、だったら最初から曲の依頼なんてするなよなぁ、と思ってしまう。かわいそうなノースさん。しかし、その後の評価を考えてみると、キューブリックの判断は正しかったと言えるのかも・・・。くぅ〜。
このCDで指揮をしているのは、ノースの友人作曲家J・ゴールドスミスである。彼もまた、リドリー・スコット監督作品に提供したスコアを意図と違う使われ方をしたり差し替えられたりした経験を持つ。ああ、作曲家はつらいっすね。
●ベランダの鉢植えは元気いっぱいである。アサガオの蔓が配水管にからまりつつぐんぐんのびているのだが、天井で頭打ち。行き場を探してうろうろしながら風になびいている。ちとかわいそう。プルーンの実が色づいてきた。近々、勇気を出して食べてみようかと思案中。
ベニサン・ピットは、たとえばパルコ劇場とかBunkamuraとか本多劇場などのような立派な劇場とはイメージが異なり、稽古場が何棟か立ち並ぶ施設の中に仮に作られた急ごしらえの小屋のようなスペース。建物自体も倉庫を改造したようなざっくばらんな作りで、相当年季も入っていてきれいとは言い難い印象。しかし、これが芝居と実に合っていた。今回の話は、雨漏りする部屋での一夜が舞台となっているのだが、この劇場そのものが雨漏りしそうなので、おかしいくらいに雰囲気にリアリティがあった。劇場の選択も演出の一部かと思うほど。
芝居は、淡々とした3人の会話で進行し、大きな仕掛けなどは一切ない。それでいて飽きることなく最後まで見せられるのは、演出や出演者の力量ももちろんだが、脚本がいいんだろうなぁ。まだ地方で上演中ゆえ、ネタバレになるので詳しくかけないが、●口●郎に関するシーン、及び終盤における深沢氏の「ひとつ確認したいんだけど、あなたたち私のこと●●○○〜」という台詞とそれに対する二人の返答には不覚ながら大笑いしてしまった。
いい芝居は、帰路を愉快にしてくれる。
●CDアレックス・ノース『2001年〜デストロイド・ヴァージョン』を入手。
キューブリックの『2001年宇宙の旅』では、R・シュトラウスの「ツラトゥストラはかく語りき」やJ・シュトラウスの「美しく青きドナウ」といったよく知られた楽曲、さらにハチャトゥリアンやリゲティといった作曲家のクラシック作品が全編にわたりサウンドトラックとして使われている。しかし、実は最初、キューブリックは作曲家アレックス・ノースに作曲を依頼し、半分ほど完成し録音まで終えていたのに、それ以降連絡すらないままに全てを没にし、曲を差し替えて映画を完成させたのである。ノースは試写会で初めて自分のスコアが没になった事を知ったそうだ。ひ、ひどすぎる〜。あんまりだ、キューブリック。鬼!
で、その没になったかわいそうな曲を蘇らせたのが、このCDである。キューブリックが却下した曲って、一体どんなものなのか、非常に興味深く拝聴したが、うううううう、素晴らしいではないか。テーマ曲などは、「ツラトゥストラ〜」の雰囲気をキープしつつ見事なオーケストレーションで構築され、私の耳には何の問題点もない、感動し興奮すら覚える名スコアである。こ、これを没にするとは。やはり、鬼だ・・。しいていうなら、キューブリックの選曲にはわかりやすいメロディーがあるが、ノースの作品にはそういうつかみがないということだろうか。でも、だったら最初から曲の依頼なんてするなよなぁ、と思ってしまう。かわいそうなノースさん。しかし、その後の評価を考えてみると、キューブリックの判断は正しかったと言えるのかも・・・。くぅ〜。
このCDで指揮をしているのは、ノースの友人作曲家J・ゴールドスミスである。彼もまた、リドリー・スコット監督作品に提供したスコアを意図と違う使われ方をしたり差し替えられたりした経験を持つ。ああ、作曲家はつらいっすね。
●ベランダの鉢植えは元気いっぱいである。アサガオの蔓が配水管にからまりつつぐんぐんのびているのだが、天井で頭打ち。行き場を探してうろうろしながら風になびいている。ちとかわいそう。プルーンの実が色づいてきた。近々、勇気を出して食べてみようかと思案中。
by shiro_sato
| 2008-07-30 15:20